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広島大学教育学部卒業。 読書・昼寝・ゲーム・カードゲームなどを趣味とする。 RIP SLYMEが好き。宮部みゆき・東野圭吾・星新一・夏目漱石・小川洋子が好き。 最近数学・宇宙論・翻訳などに興味がある。 アニメ・声優オタ

2011年8月3日水曜日

ドラえもんのメッセージ

横山泰行(2005) 『ドラえもん学』 PHP新書




本書には、ドラえもんの漫画・アニメなどの変遷や細かい設定から、「ジャイアン・スネ夫・しずちゃん(ママ)」それぞれに焦点を絞った性格やアニメ中の役割などまで様々かかれている。本まとめでは、そのうちの「なぜドラえもんが人気なのか」について恣意的に抜きだし、まとめる。

1. ドラえもんの法則
内容がわかりやすいなどといった理由もあるが、「ドラえもんでは日常の世界が扱われている」という点も見逃してはならない。つまり、「マンガ世界と同じような日常生活を共有しているからこそ、子どもたちはそこに自分を投影し、共感できるのである」(P.110)というわけである。さらに細かく見ていくと、ここに二点特記すべき事項がある。

1.1. 身内という約束事
ドラえもんの世界では、他人に迷惑がかかることがない。ドラえもんの作者の藤本先生は、次のようなことを述べている。「どんな大事件が起きても、それはなるべく仲間内で解決し、周りの一般社会に、一切影響を残さないということです。(中略)この環境の日常性は絶対に壊すわけにはいかないのです」(P.57)

1.2. 教訓臭くない教訓
ひみつ道具とのび太の関係に顕著に現れるのがこの点である。のび太は最初、問題を自分で解決しようとする。それでもどうにもならなくなって初めて、ドラえもんに助け船を要請する。そしてひみつ道具で問題は解決するのだが、のび太がひみつ道具を悪用(乱用)することで事態が悪化する。また、映画の中などでの友情など、「子どもの教育を大切にし・・・仲間と遊ぶなかで個性と思いやりをはぐくんでいく社会の優しさ」が描かれている。(P.134)


2. 世界におけるドラえもん
ドラえもんは世界各国で海賊盤や翻訳が出版されている。いまではどこの国の人もドラえもんを知っているようだ。しかし、アメリカとイタリア、またフィリピンなどではあまり人気がない。

2.1. アメリカにおけるドラえもん
アメリカでは、「自立」が重宝される。そんな中では、「ドラえもんがすぐにのび太を助けてしまう」このマンガは、子どもから自立心を奪うと言われている。(P.137)

2.2. イタリアにおけるドラえもん
ドラえもんは、「主人公のドラえもんの友人のNOBITA少年に自分を見立てて、主人公の協力で難問を解決していく」というマンガである。しかしこの設定は、「プロタゴニズム」という「あらゆる場で自分を主人公としたがる自己中心主義」が蔓延しているイタリア社会には馴染まなかったようだ。(P.136)

2.3. フィリピンなどにとっての日本
世界大戦において、フィリピンは全土が戦場となった。こうした戦争の傷跡は、ドラえもんなどの日本アニメを「日本帝国主義の再来」・「子どもをねらい打ちした侵略の心理作戦」として見てしまった。(PP. 132-133)


3. 帝国主義と英語教育
ドラえもん自体はとても“教育的”であって、おもしろいものかも知れない。しかし、それらが「日本帝国主義である」として受け入れられていない現状がある(あった?)というのは悲しくもあり残念でもある。
ここで英語教育の話に飛ぶ。ある辞書によれば、英語教育に“英米文学”を取り入れるのは「英語帝国主義である」と主張する人もいるようである。ならそもそも英語教育自体が英語帝国主義なのではないか。確かに、英米文学ばかり教えて、他の文化圏には触れずに、

「えいご ばんざーい」

というのであれば問題である。しかし、英米文学の導入=英語帝国主義とするのはぶっ飛んだ話ではないか。

また話がまとまりそうにないので、ここでは要するに、「文化を受け入れるのって大切だと思うんだ」、という結論でご容赦願いたい。

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